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糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介

糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介

「果物の甘さって、血糖値に影響するのかな?」
「たくさん食べて良い果物はある?」

季節ごとに、楽しさと美味しさを感じさせてくれる「果物」。

春はいちご、夏はスイカ、秋は柿、冬はみかんなど、果物には旬があるのも魅力の一つですよね。

しかし果物は甘みのある果実。血糖値への影響が気になりますよね。

そこで今回は、糖尿病と果物の関係について、わかりやすくお教えしていきます。

最後までお読みいただくことで、「果物を安心して楽しむ方法」までお分かりいただける内容ですので、ぜひお付き合いください。

それでは、まいりましょう。

※当記事は綱島東口内科・糖尿病内科クリニック 院長、近藤 義宣先生に監修をいただきました。

果物が血糖値に与える影響

果糖とは?

果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。そして、ブドウ糖や果糖といった糖を多く含むのも果物の特徴です。

適度に熟した果物に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維には消化管の中で糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑える作用があります。

ですから「果物には血糖値の急上昇を抑える食物繊維が含まれるので、糖尿病に良いのか」というと、半分イエスで半分ノー。

その理由は、果物に含まれる果糖にあります。

果糖とは?

果糖とは、果物やはちみつに多く含まれる糖類の一種です。

他の糖類とは違い、果糖自体が血糖値を急上昇させることはありません。

しかし果糖は吸収されるとすぐ、10-20%が肝臓でブドウ糖と中性脂肪に作り替えられます。

そのため、果糖の量が多い(=果物の量が多い)とブドウ糖の量が増え、血糖値をあげる要因になってしまうのです。

また中性脂肪が肝臓にたまりすぎると、脂肪肝のリスクが上がります。

脂肪肝は血糖値を下げる働きのあるインスリンの効きを悪くする疾患ですので、中性脂肪も多くならないように気を付ける必要があります。

さきほど「果物は糖尿病に良いのか」という問いに対し、半分イエスで半分ノーとお答えしました。

なぜなら果物は適量であれば、食物繊維をはじめとした果物の栄養素が糖尿病にプラスの効果をもたらしますが、過剰なら血糖値をあげるリスクになってしまうからです。

つまり、「どのくらい食べるのか」という量が大切になります。

参考記事:はちみつは血糖値に影響するの?〜糖尿病に良いのか検証しました〜

果物の量と食べるタイミングについて

それでは、果物の適量をご紹介していきましょう。

糖尿病の方が安心して食べられる果物の目安量は、1日約80kcal分です。
果物の目安量である1日約80kcal分の図

※秤(はかり)で重さを確認してから食べるのが理想的です

80kcal分がどのくらいなのか悩む時は、片手の掌にのるくらいの量を判断の基準にすると良いでしょう。

また、果物は食後に楽しむことをお勧めします。

すでに説明の通り、果物には水溶性の食物繊維が豊富ですが、基本的に糖質は多めです。そして、血糖値をあげやすいブドウ糖も含まれています。

糖尿病では血糖値を一定に保つメカニズムが働きにくくなっていますので、空腹時に果物を食べると血糖値は上がりやすく、血糖コントロールが乱れる可能性があります。

例えば、果物であるバナナ1本の糖質量(21.4g)と主食である8枚切り食パン(19.9g)の糖質量では、さほど差はありません。

血糖コントロールを良好に保つためにも、果物は食後のデザート程度に楽しむようにしましょう。

どんな果物がオススメ?

いろいろな果物がありますが、特におすすめする果物はキウイフルーツです。

なぜならキウイフルーツは果物の中で、最も栄養素が凝縮されているからです。

下記の図は、果物の17種類の栄養素の凝縮具合をピラミット式に表したものになります。
果物の17種類の栄養素の凝縮具合をピラミット式に表したもの

みかんやリンゴより、キウイフルーツに栄養素が詰まっていることがお分かりいただけると思います。

「何の果物を食べようかな…」と悩む時は、キウイフルーツをデザートとして楽しんでみてください。

体の調子を整えるビタミンやミネラルをキウイでしっかり取り入れ、糖尿病の合併症予防や重症化予防にもつなげていきましょう。

参考記事:キウイのカロリーと糖質は低い?〜栄養や健康効果も分かりやすく解説〜
参考記事:グレープフルーツのカロリーと糖質は高い?〜効果的な食べ方・注意点なども解説〜

梨やりんごは安心して食べられる?

梨とりんご、どちらもシャキシャキとした食感が楽しい果物ですよね。

糖尿病患者さんは、梨やりんご、どちらも安心して食べることができます。
80kcalあたりの梨とりんごの糖質
80kcalあたりの梨とりんごの糖質は、ほとんど同じです。

季節や気分によって、1日あたり80kcal分を召し上がってください。

みかんやグレープフルーツなら問題ない?

柑橘類で手軽に食べやすいみかんと、酸味のあるグレープフルーツ。

みかんやグレープフルーツも、食べて問題ありません。
みかんやグレープフルーツの80kcalあたりの糖質量
※グレープフルーツは200g(種と皮を含むと290g)で約80kcal、2/3個が目安量

「甘さより酸味を感じるグレープフルーツは1個食べても良いのでは?」というあなた。

グレープフルーツ1個に含まれる糖質量は27.0gと一気に多くなり、血糖コントロールの乱れにつながるリスクがあります。

適量を楽しみ、血糖コントロールを良好に保ちながら合併症を予防していきましょう。

参考記事:みかん1個の糖質やカロリーは?ダイエットや糖質制限に良いのか分かりやすく検証

糖尿病で食べてはいけない果物はある?

糖尿病患者さんが、食べてはいけない果物はありません。

ただし、気をつけていただきたい果物は「アボカド」です。

アボカドは糖質は少ないですが、脂質の多い果実です。そのため、糖尿病食事療法のための食品交換表(※)では、油と同じ仲間に分類されています。

(※)糖尿病食療法のための食品交換表とは、1日のエネルギー量を適正にして栄養素をバランスよく取り入れるために、糖尿病の食事療法で用いられている食品分類表のことです。

食物油10g(大さじ2/3)=アボカド40g(可食部1/3個)

また、アボカド1個あたりのエネルギー量は約240kcalです。

カロリーや脂質の摂り過ぎは体重増加につながりやすく、インスリン抵抗性を高め(インスリンの効きが悪くなる)、糖尿病の進行や合併症を招く要因になります。

アボカドを食べる際は1日の油の量と調整しながら、多くても1/3個程度にすると良いでしょう。

参考記事:血糖値が下がる?糖尿病にトマトは良いのか

バナナやパイナップルは甘いけど大丈夫?

南国育ちで甘みのあるバナナやパイナップル。特にバナナは食べても良いか、気になる果物ですよね。

糖尿病だからと言って、バナナやパイナップルが食べられないことはありません。どちらも食べて大丈夫です。
バナナやパイナップルの80kcalあたりの糖質量

意外かもしれませんが、バナナ1本分の糖質量は梨やりんごとあまり変わりません。

量に気をつけて食べると問題ありませんので、安心してください。

スイカやメロンはどう?

夏の果物の代表的な存在、スイカ。そして高級感のある果物、メロン。スイカやメロンも食べて構いません。

どちらも甘みがありますが、80kcalあたりの糖質量はバナナやりんごより低めです。
スイカやメロンの80kcalあたりの糖質量

ついたくさん食べたくなる果物ですが、食べすぎると糖質量はもちろん増えます。糖質が増えると、血糖値も上がります。

そのためスイカやメロンを食べる時は、重量計(はかり)を使って、重さと量を確認しながら食べることをお勧めします。

妊娠糖尿病の果物の食べ方

妊娠糖尿病の場合も、果物は1日80kcalを目安に取り入れると良いでしょう。

食後2回に分けたり、間食に牛乳やアーモンドミルクと一緒に..などもお勧めです。

一般的に果物には、貧血予防につながるビタミンCが多く含まれています。また、いちごやバナナには、胎児の正常な成長に欠かせない葉酸が豊富です。

食べる量に気をつけながら、お好きな果物を楽しんでください。

まとめ

糖尿病患者さんが果物を食べる時には量が大切、ということが分かりましたね。

果物は血糖値の観点では、「適量ならば良い・食べ過ぎると悪い」です。

糖尿病と上手に付き合いながら果物を楽しむために、1日80kcal分を食後に食べることをお勧めします。

またキウイフルーツは栄養素が凝縮している果物ですので、日常的に取り入れると良いでしょう。

なおアボカドは脂質の多い果物ですので、食べる時には油との調整が必要となります。ご注意ください。

今回は、糖尿病と果物についてご紹介しました。
当記事を参考に、美味しい果物を楽しく召し上がっていただけると幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。バナナなど日々の食事管理でぜひ活用してみてくださいね。


参考文献

厚生労働省 eヘルスネット 果物
日本糖尿病学会編・著 糖尿病食事療法のための食品交換表第7版
ゼスプリインターナショナル 当該食品100gあたりに含まれる主要17栄養素の割合
女子栄養大学出版部 香川芳子監修 七訂食品成分表2016

編集&執筆者情報:こちらをご覧ください

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