りんごはダイエットに良い?糖質・カロリー・栄養から効果を解説

当記事を監修した専門家:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子 、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)
「りんごが好きなんだけど、ダイエット中に食べても大丈夫だよね?」
栄養があってヘルシーなイメージのあるりんご。かつて、りんごダイエットが一大ブームを引き起こし、「やってみた」という方も多いと思います。
しかし、りんごは果物です。
最近は糖質を制限するダイエット法が流行っていますが、一般的に果物には糖質が多く含まれます。
そこで今回はりんごの栄養面に注目しながら、ダイエットに良いかどうかを検証していきます。
さらに「効果的なりんごダイエットの方法」もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
りんごの栄養について
主な栄養や成分から、りんごがダイエットに適しているかどうか見ていきましょう。
りんごの糖質はやや多い
まず、りんごの糖質についてご紹介します。
りんご1個には、約40gの糖質が含まれています。これは、ご飯お茶碗2/3杯とほぼ同じくらいの糖質量です。
他の果物とも比較してみましょう。
バナナの糖質量ほどではありませんが、キウイやスイカ、グレープフルーツと比べてもりんごの糖質はやや多めであることがおわかりいただけると思います。
参考記事:バナナを食べると太る・太らない?〜糖質などの栄養から効果まで徹底解説〜
参考記事:トマトは糖質があるのに血糖値を下げる?糖尿病にも良いのか検証
糖質制限ダイエットには不向き?
糖質を多く含む食べ物を控える「糖質制限ダイエット」、りんごが適しているかどうかは何ともいえないというのが正直なところです。
なぜなら、良し悪しはりんごの量によるからです。
すでにお伝えしたように、例えばりんご1個食べる場合の糖質量は約40gと多いのですが、仮に1/4個なら10g以下となり、糖質制限中に食べる量としても許容範囲内になります。
なので糖質制限ダイエット中のりんごは、1日あたり1/4個までを目安にすると良いですね。
参考記事:糖質制限ダイエットって効果があるの?適切な食材と方法を徹底解説
カロリーは?
次にりんごのカロリーですが、100gあたり56kcalと低めです。これは、ご飯お茶碗1/4杯程度のカロリーです。
仮に、間食にりんごを食べる場合を考えてみましょう。
一般的な間食は、1日あたり200kcal程度がよいとされていますが、ダイエット中は摂取カロリーの調整が必要不可欠です。間食で取り入れるカロリーはできるだけ少なく、多くても100kcalまでにすると、他の食事で調整しやすくなりますのでオススメです。
ですので間食にりんご1個は多いのですが、りんご1/2個の約84kcal、1/4個では約47kcalとなり、この量ですとカロリー面でもダイエットに適していると言えます。
注目の栄養素を紹介
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」という有名な言葉があるように、りんごには健康に役立つ栄養素が含まれています。
そこで、とりわけダイエットに役立つ3つの栄養素をご紹介しましょう。
①水溶性食物繊維
りんごにはペクチンという水溶性の食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維には粘着性があり胃腸内をゆっくり移動するため、空腹を感じにくく食べ過ぎを防ぎ、ダイエットに役立つ効果が期待できます。
ペクチンは皮に多いと言われていますので、りんごは皮ごと食べると良いでしょう。
②プロシアニジン
りんごに多く含まれるプロシアニジンには、内臓脂肪を軽減する効果が報告されています。
③カリウム
りんごのカリウムには体内の水分バランスを整え、むくみ解消が期待できます。
むくみはダイエットの大敵です。
と申しますのも、むくむと血液やリンパ液の巡りが悪くなって冷えが起こります。私たちの体は冷えた部分を脂肪で覆って体温をあげようとするため、脂肪が増えてしまい、肥満に直結するのです。
「夕方になると足が重い…」というあなたは、特にむくみによって皮膚の下に水分が溜まっているかもしれません。カリウムの活用は太りにくい体作りにも役立ちます。
参考記事:りんごの栄養成分と効能効果〜健康に良いは本当なのか管理栄養士が徹底検証!〜
りんごは夜、食べたら太るのか
りんごは夕食時に食べてもよいのですが、寝る前はお勧めできません。
なぜなら睡眠中はエネルギーの消費量が少なく、りんごの糖分がそのまま中性脂肪になり脂肪細胞に蓄積される可能性が高いからです。
りんごは朝や昼など、活動の時間帯に食べるようにしましょう。
参考記事:イチゴのカロリーと糖質は少ない?〜栄養素やとっておきのレシピも紹介〜
気になる!効果的なりんごダイエットとは
かつて、一大ブームを巻き起こしたりんごダイエット。
その内容を振り返りますと、ダイエット期間は3日間。りんご以外の食べ物は一切摂らず、水かコーヒーだけを飲むという方法で、りんごは好きなだけ食べて良いのがルールでした。
りんご1個が約168kcalですので、1日に10個食べたとして1680kcal。個人差はありますが、多かれ少なかれ体重は減るでしょう。
ですが、同じものを食べ続けるりんごダイエット。
「りんごに飽きてしまって続かない」
「りんごだけの3日間にストレスを感じて、終了したらたくさん食べてしまいリバウンド」
と言う声もしばしば聞かれました。
しかしすでにお伝えしたように、りんごには水溶性食物繊維やプロシアニジンなど、ダイエットに役立つ成分が含まれています。これは活用しないと勿体無いですよね。
そこでお勧めしたいのが、「朝食だけりんごにする」や「おやつにりんご」という方法です。
例えば菓子パン(メロンパンやクロワッサンなど)とコーヒーという朝食スタイルをりんご1個に変えた場合、おおよそ300kcalのカットができ、これだけで25日で1キロの減量、2ヶ月半で3キロの減量が可能になります。
オリジナルレシピを紹介
「毎日りんごを食べるのは飽きてしまう…」そんな時は、一手間加えるのもお勧めです。
【りんごのジンジャーゼリー】
生姜を加えることで体を温めて血行を促進し、代謝をあげて痩せやすい体作りに役立つレシピをお教えします。
・ゼラチン 5g
・水 大さじ1
・りんご 1/2個
・しょうが 1g
・カロリーオフシュガー 大さじ1
・レモン汁 少々
【作り方】
①ゼラチンは水でふやかしておく。
②りんごは1センチ幅の角切りにし、レモン汁を入れた水に浸しておく。しょうがは細かいみじん切りにする。
③鍋に水400ccとしょうが、シュガーを入れて火にかけ、沸騰直前で火を止めて①のゼラチンを加えて混ぜ、あら熱を取る。
④器に水気を切ったりんごを入れ、③を流し入れる。冷蔵庫で冷やし固めたら完成。
まとめ
以上、りんごがダイエットによいかどうかは、食べる量や時間帯が影響することがおわかりいただけましたね。
ポイントをまとめます。
○カロリーはりんご1個で200kcal以下と低い
○りんごの食物繊維、プロシニアジン、カリウムはダイエットに役立つ栄養素
○就寝前のりんごは、太る原因になる可能性が高いので控える
そして、りんごダイエットをする場合は「朝食をりんご1個にする」「おやつをりんご1/2個にする」という方法ですと、効果が得られやすいでしょう。
当記事を参考に、りんごを楽しみながら健康的なダイエットに繋げていただけると嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスではカロリー&糖質を含む食事・体重・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
日本食品成分表 2021年 八訂 医歯薬出版編
農林水産省 特集りんご(2)
厚生労働省 e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)
厚生労働省 e-ヘルスネット ポリフェノール
一般社団法人 青森県りんご対策協議会 プロシアニジンとは