ワインは高カロリーだけど低糖質〜栄養素や手軽なおつまみも紹介〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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「グラスに注がれた飲みごろのワイン」
このフレーズを聞いただけで、とても上質な気分になるのはなぜでしょう?
ワインには非日常的な気分を味わえる不思議な魅力があります。
約6000年前より造られているワインは、キリスト教の正典である「旧約聖書」などにも登場します。ワインは昔から様々な記録を残すほどに、人々にとって特別な飲み物だったようです。
そんなワインですが、ダイエット中にはカロリーが気になる方も多いのではないでしょうか?
たしかに、ワインを含めてお酒はカロリーの高い飲み物です。しかし実は、ワインは他のお酒と比べて糖質が低いという特徴を持っているのです。
ということで、今回はワインの具体的なカロリーや糖質についてお話していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。
目次
赤・白・ロゼワインのカロリーと糖質
ワインは赤・白・ロゼの3つに色分けされていて、この3色はぶどうの種類と作り方の違いで分かれます。
それぞれの100mlあたりのカロリーと糖質を、下の表でご紹介しますね。
3種類のワインを比べてみると、カロリーに大きな差はありませんが、ロゼワインだけ糖質が高いことがおわかりいただけると思います。
その理由には、ロゼワインの発酵時間が影響するようです。
そもそも、ワインは製造過程で糖分を利用してアルコール発酵させる工程があるため、ビールや日本酒などのアルコールより糖質が低くなります。
そしてロゼワインは一般的に赤ワインの製造を短期化して作られるため、発酵に時間がかからず使われる糖分が少ないため、糖質が多くなると考えられています。
スパークリングワインはどう?
スパークリングワインのカロリーは銘柄によりますが、100mlあたりおよそ100kcalと他のワインと比べると高めになります。
一方、糖質も銘柄によるものの100mlあたりおよそ2gです。
なぜ高めかといいますと、スパークリングワインは一次発酵させた白ワインやロゼワインに、酵母と糖分を加えて二次発酵させて造ります。
発酵を促すために糖分を足すので、結果的に他のワインに比べるとカロリーが高くなってしまうのです。
ちなみにスパークリングワインというと「シャンパン」が有名ですが、シャンパンとはフランスのシャンパーニュ地方で、ワイン法に定められた方法を守って造られたスパークリングワインだけが名乗れる名称のことです。
またイタリアには「フランチャコルタ」、スペインには「カヴァ」という、厳しい規定に基づいて造られているスパークリングワインがあります。
糖質制限中にワインはOK!
ワインはカロリーは高いですが、他のお酒と比べると糖質が低いという特徴があります。
上の表を見ると、赤ワインと白ワインの糖質の低さがおわかりいただけると思います。
ですので、糖質制限中にワインを飲んでも問題ないでしょう。
しかし先ほどもお伝えしたように、ロゼワインは他のワインやお酒と比べて少し糖質が高いので、気になる方は赤ワインと白ワインを飲むのがオススメです。
参考記事:焼酎のカロリー&糖質は高い?〜ダイエットにも良いのか比較をまじえ検証〜
糖質ゼロのワインはあるのか
残念ながら、現在糖質ゼロのワインはありません。
しかし糖質をオフしたワインがあります。メルシャンの「おいしい酸化防止剤無添加ワイン〜オフ日和〜」です。
ワイン酵母にこだわり、酸化防止剤(食品添加物)を不使用の安心・安全なワインで、ブドウの自然な美味しさが口の中に爽やかに広がります。
また糖質だけではなく、カロリーもオフしたワインです。赤ワインも白ワインもやや辛口で、すっきりした味わいが特徴です。ダイエット中の方には嬉しいですね。
ワインを飲むと太りやすい?ダイエットでの注意点
繰り返しになりますが、ワインは糖質は低いですがカロリーの高いお酒です。
ですからたくさん飲みすぎると体重増加の原因となってしまいますので、1日2杯程度(200ml)など、目安量を決めて飲むとダイエット中でも安心してワインを楽しめるでしょう。
また、ワインなどのお酒は一緒に食べるおつまみや食事がすすみやすく、ついつい食べ過ぎることもあります。
さらに相性の良い食べ物もチーズや生ハムなどの高カロリーなものが多く、太る原因となる可能性が高いです。
なのでダイエット中にワインを飲む際は、一緒に食べるおつまみや食事にも気を遣って低カロリーなもの選ぶと良いでしょう。
なお、厚生労働省が示す指標によると、1日のアルコール摂取量の目安は純アルコールとして平均で20g程度が良いとされています。
この量はワインに換算すると約2杯分(200ml)の量ですので、適度なアルコール摂取量という面から見ても、飲みすぎないように注意が必要です。
参考記事:チーズのカロリーは高く糖質量は低い〜ダイエットでの注意点を含め解説〜
ワインに含まれる栄養素について
「ワインはお酒だから体に悪いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はワインにも栄養素が含まれています。
「赤ワインにはポリフェノールが豊富」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
ポリフェノールは抗酸化物質(※)の1つで、動脈硬化の予防が期待されています。
(※)抗酸化物質は活性酸素の発生や働きを抑えたり、活性酸素を取り除く物質のことです。
活性酸素は身体に必要な物質ですが、増え過ぎると過酸化脂質を作り出し動脈硬化などを引き起こすので、抗酸化物質によって活性酸素の発生や働きを抑える必要があります。
また、ワインには多くはないですがカリウムが含まれています。
カリウムはミネラルの一種で体内の塩分を排出してむくみを解消してくれるので、塩気の多いおつまみを食べる時などにオススメです。
ワインのおつまみには缶詰の活用がオススメ
お手軽に美味しいおつまみが食べられる、と話題の「缶つま」はワインにもぴったりです。
中でもおすすめなのはいわしの缶詰です。
いわしは不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが含まれており、ダイエットにもぴったりな食材(※)です。
(※)京都大学農学研究科の河田照雄教授らの研究で、EPA・DHA(魚油)には体脂肪の減少効果が期待できることが明らかになりました(マウス実験)
そしてDHAやEPAには血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあるのも嬉しいですね。
そのままでももちろん美味しいのですが、トースターで軽く焼くとより美味しく食べられます。
まとめ
以上、ワインは糖質が低いため糖質制限中にも飲めるということ、ポリフェノールやカリウムなどの栄養素が含まれているので健康に有益な部分もあることがお分かりいただけたと思います。
しかしワインはカロリーが高いので、1日2杯程度(200ml)を目安にすると良いでしょう。
またおつまみもカロリーの低いものを選ぶと、ダイエット中にも安心してワインを飲むことが出来ます。オススメの缶詰、オイルサーディンもぜひ試してみてくださいね。
それでは当記事を参考に、ワインや食事を楽しんでいただければ幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血圧・体重・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
国税庁 果実酒に関するもの
厚生労働省 e-ヘルスネット 不飽和脂肪酸
厚生労働省 e-ヘルスネット 抗酸化物質
厚生労働省 e-ヘルスネット 飲酒量
厚生労働省 e-ヘルスネット アルコールとメタボリックシンドローム
農林水産省 ブドウとワインに含まれるポリフェノール類の健康
株式会社枻出版 ワインの基礎知識
独立行政法人酒類総合研究所 お酒のはなし【特集:ワイン 1(概要)】