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さつまいもの栄養成分と効能~調理法による変化など含め管理栄養士が解説~

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さつまいもの栄養成分と効能~調理法による変化など含め管理栄養士が解説~

当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)
甘くておいしいさつまいも。
「甘いから、やっぱりカロリーが高いのかな?」
「食べたいけど、ダイエット中で糖質が気になってしまう…」
さつまいもは、確かにいも類の中で糖質やカロリーが多めですが、栄養分が豊富に含まれている食べ物なのです。
今回は、さつまいもの栄養素や調理法による変化、健康を意識する上で気をつけたいポイントについて解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

さつまいもの栄養素と効能

さつまいもの栄養と効能
さつまいもは炭水化物量は多めですが、食物繊維やミネラル、ビタミンCなど体にうれしい栄養素の含まれている野菜です。
では、それぞれの働きや効能について、順に解説していきます。

炭水化物の糖質はエネルギー源

炭水化物とは、脳や体のエネルギー源である糖質と消化吸収されない食物繊維に分けられますが、まずは糖質についてお話いたします。

*100gあたり
上記の通り、さつまいもの糖質量は、いも類の中では高めです。しかし、お米やパン、パスタなどの主食と比べると低めになります。
また、さつまいもは主食類とは違い、低GI食品であることもポイントになります。
低GI食品とは、食後血糖値の上昇度を示すGI値が低い食品。つまり食後血糖値が上昇しにくい食品です。
血糖値の上昇を緩やかにすると、脂肪を体内にため込む作用を防ぐことにつながります。そのため、ダイエットをしている方に向いている食品と言えるでしょう。
しかし、食べすぎには注意が必要です。
一般的なさつまいもの重さは、中サイズ1本あたり大体300〜400gなので、約380〜500kcal、糖質は90〜125gとなります。参考までにご飯1杯200gで340cal、糖質は70gですので、さつまいもを1本食べるとカロリーも糖質もとても多くなってしまいます。
ですから、食べるときは1/2本程度にしましょう。
参考記事:栗の栄養と効果~渋皮や甘栗の成分・効能についても詳しく解説~



お通じを良くする食物繊維

さつまいもには、便秘解消のカギとなる食物繊維が含まれています。
100gあたり約3g含まれていますので、中サイズのさつまいもを1/2本食べた場合、約6gの食物繊維が取れます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」によると、1日の食物繊維の目標量は、18〜64歳では男性21g以上、女性18g以上です。つまり中サイズのさつまいもで男性は1日の目標量の1/4、女性は1/3もの食物繊維を摂取できるのです。
便秘はむくみや血行不良、さらには代謝が下がる原因になりますので、便秘を防ぐために、日頃から積極的に食物繊維を取っていきましょう。

生命維持に関わるカリウム

カリウムは、生命維持に関わるミネラルで、細胞の浸透圧を調整しています。また、ナトリウム(塩分)の排泄を促進する作用もあるので、ナトリウム(塩分)の摂りすぎによる高血圧を防ぎます。
そんなカリウムは野菜や果物、いも類など、植物性食品に豊富です。
しかし、カリウムは水に溶けやすいので、みそ汁やスープなど汁ごと食べると、無駄なく摂取することができます。
さつまいもを使った味噌汁やポタージュスープなど、ぜひ試してみてください。
サツマイモの味噌汁

ビタミンC

いも類の中でもさつまいもは、ビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、日焼けを防ぎ、病気やストレスに対する抵抗力を高めてくれます。
通常ビタミンCは加熱すると壊れやすいのですが、さつまいものビタミンCは、デンプンによって保護されるため、加熱しても壊れにくいといった特徴が。
そのため、調理してもビタミンCを効率よく摂取できますよ。

安納芋や紫芋の栄養素

さつまいもには安納芋や紫芋をはじめ、様々な品種があります。
それらの違いは、味だけでなく成分にも関わっています。

安納芋の栄養素

安納芋は、さつまいもよりも糖度が高く、ねっとりとした甘さが特徴です。また、さつまいもよりも多くの β-カロテンを含んでいることもポイントです。
β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、活性酸素の働きを抑え、取り除く抗酸化力があります。そのため、体内の老化を防ぐほか、生活習慣病の予防にも効果が期待されています。

紫芋の栄養素

紫いも
紫芋は糖度が低く甘味が少ないので、加工して食べることが多いです。またアントシアニンという色素を含むため、断面が紫色であることが特徴です。
ちなみに、アントシアニンには強い抗酸化作用があり、動脈硬化や老化の予防が期待できることから、生活習慣病に対して予防・改善できる機能を持つとされています。

焼き芋やふかし芋にしても栄養に変化なし?

さつまいもの栄養は、焼いても蒸しても大きな変化はありません。
100gあたりの栄養成分を比較してみると、このような結果になります。
100gあたりの栄養成分を比較
*100gあたり
「生」と「蒸し」では、差はほとんど見られませんが、「焼き」は他の2つと異なっているように見えます。
これは、焼いたことによって水分量が減っているからです。
水分が減ると元の重さより軽くなるので、100gに換算すると「生」や「蒸し」よりも焼いた状態のさつまいもが多く必要になります。
ですので100gで比較すると「焼き」の数値が違って見えますが、生のさつまいも100gを蒸しても焼いても実際はあまり変わらないのです。

茹でた場合のデメリット

あまり変わらないと言っても、調理方法によっては変化はあるので注意が必要です。
例えば、カリウムは水に溶ける性質を持っているので、茹でることで流れ出てしまうことに。いも類だと、15〜20%ほどカリウムが除去されると言われています。
ですので、腎臓病などでカリウムの摂取量を抑えたい人は茹でるとよいでしょう。
またビタミンCも水に溶ける性質を持ち、加熱すると壊れてしまいます。
先ほどお話したように、さつまいものビタミンCはデンプンによって保護されるため、加熱しても壊れにくいです。
しかし水に溶けやすいので、茹でた場合は多くのビタミンCが流れ出てしまい、焼いたり蒸したりする場合よりも、多く損失することに。
茹でる場合は、茹で汁ごと食べられるスープにすると、栄養を効率よく摂取することができますよ。



葉や茎(つる)にも栄養があるって本当?

葉付きさつまいも
さつまいもの葉や茎は、なかなかスーパーなどで見かけることはありませんが、実は日頃食べている塊根の部分よりも栄養価が高いのです。
サツマイモの葉や茎を食べるイメージはあまりないかもしれませんが、東南アジアや台湾などの亜熱帯や熱帯地方では、日常的に食べられています。
では、具体的に栄養成分を比較していきましょう。
今回は、さつまいもの塊根部分(皮なし・生)と比べていきます。
まずは、たんぱく質です。
葉の部分のたんぱく質含有量は、なんと塊根の25〜30倍。
そして塊根の場合、100gあたりの食物繊維は2.2gですが、葉は5.9g、茎には10.4gと多く含まれています。
ミネラル成分も葉に多く含まれ、特に鉄は約11倍、カルシウムは約2倍、マグネシウムは約4倍と豊富です。。
また、葉のビタミン類は特に多く、カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEなどは緑黄色野菜に近いと言えます。
このように、葉や茎には日頃食べている塊根部分よりも栄養素が多く含まれることが分かります。
葉つきのさつまいもを手に入れた際には、炒め物にするなどして、ぜひ召しあがってみてください。

さつまいもはGI値が低い

炭水化物の解説時にお話しましたが、さつまいもの特徴の1つに、GI値が低いことが挙げられます。
それでは低GI食品のさつまいもがなぜ健康に良い食品なのか、血糖値やダイエットの関係から見ていきたいと思います。

糖尿病でもさつまいもを毎日食べてもOK?

低GI食品であるさつまいもは、糖尿病の方でも食べられる食品です。
糖尿病の方は、食後血糖値を下げる機能が低下しているので、血糖値の急上昇を抑えることが重要になっています。そのため、血糖値の上昇を緩やかにする低GI食品は糖尿病の方にとってありがたい食品です。
また、食物繊維が豊富に含まれていることもうれしいポイントです。
欧米において一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病などの発症リスク低下が観察されるとの研究報告があります。これは、便通を良くすることで血中コレステロールの低下につながるからです。
糖尿病の方でコレステロールが高いと、心疾患の発生するリスクが増大するので、食物繊維を取って血中コレステロール低下につなげましょう。
これらの理由から、糖尿病でもさつまいもを毎日安心して食べていただけます。ただし、さつまいもには糖質が多く含まれているので、1日1/4本程度を上限にして下さいね。

ダイエットや糖質制限中はどうか

体重計
ダイエットや糖質制限中にも、さつまいもは良い食品です。
低GI食品は血糖値が上昇しにくいので、インスリン(血糖値を下げるホルモン)による血中の糖分を脂肪として、体にため込む働きを抑制することができます。
また、食物繊維も豊富なので、便秘になりがちなダイエット中に適した食品と言えます。
しかし、さつまいものカロリーと糖質は高めなので、食べるときは1日1/2本を上限としましょう。
参考記事:ダイエットにさつまいもが良いって本当?〜効果・やり方・レシピをポイント解説〜

まとめ

以上、さつまいもの栄養について解説しました。
さつまいもは、糖質・カロリーが多めですが、低GI食品であり、食物繊維が豊富に含まれているので糖尿病の方やダイエット、糖質制限中でも食べられる食品です。さらに、カリウムやビタミンCが豊富に含まれているといった特徴もあります。
またβ-カロテンを含んでいる安納芋や、アントシアニンが多く含まれている紫いもなど、品種による栄養素の違いが見られます。調理法によっても栄養素が変化するので、栄養素を効率よく摂れるように工夫してみましょう。
そして、葉や茎も廃棄するにはもったいないほど、栄養素が多く含まれています。
さつまいもを茹でた場合はスープやみそ汁として汁も活用すると、おいしく無駄なく食べることができます。
それでは当記事が参考となり、日頃の食卓にさつまいもを取り入れて健康をサポートしていただければ幸いです。
弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

 
参考文献
・文部科学省 食品成分データベース
・農林水産省、「食と農の扉」、2006年春発行、特集「紫の誘惑」アントシアニンの機能性と紫品種
・東洋大学、「栄養素の名は~カリウム制限と高カリウム血症予防のために~」
・大羽和子、日本家政学会誌、vol.39 No.10 1051~1057 (1988)、「貯蔵・切断および加熱調理に伴うジャガイモのビタミンC含量の変化」
・石田裕、日本調理科学会誌、Vol.42 No.4 215~224 (2009)、「サツマイモ(Ipomoea batatas Poiret)葉の機能性及び食品への応用」
・厚生労働省、e-ヘルスネット、「食物繊維の必要性と健康」、最終閲覧日2022年1月27日、食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
・医療法人、慈照会グループ、「糖尿病とコレステロール」、最終閲覧日2022年1月27日、糖尿病とコレステロール

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