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鮭は美肌づくりの救世主!~栄養成分と効能を管理栄養士が解説します~

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鮭は美肌づくりの救世主!~栄養成分と効能を管理栄養士が解説します~

当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

四方を海に囲まれた日本は、古来から魚を食べる習慣があります。そして1万年以上も前、縄文時代には魚を獲って食べていた跡が見つかっています。

時代が進むにつれて魚よりも肉の需要が増えましたが、近年では健康志向の高まりから、再び魚食が注目されるようになりました。

さて数ある魚の中で庶民の味と言えば、なんといっても「鮭」です!いつも何気なく食べている鮭ですが、実は美肌づくりに最適な食品だったのです。

そこで今回は鮭の栄養成分と効能について詳しく解説していきます。かんたんなレシピも載せましたので、ぜひ最後までお付き合いください。

鮭の栄養成分と効能効果

鮭の栄養成分と効能効果

美肌の土台となる「タンパク質」

ご存じの通りタンパク質は、筋肉や臓器、血液、そして髪や爪なども作っている重要な栄養素です。

体を作る材料となるだけではなく、酵素やホルモンや免疫物質の構成成分にもなり、体内における調整機能としてさまざまな働きをします。

一方でタンパク質が不足すると、筋力が落ちるだけでなく、免疫機能が低下し病気に対する抵抗力まで落ちることも。

参考までにタンパク質の必要量は、摂取エネルギーや運動量に左右されますが、一般的に成人男性は1日あたり65g、女性は50gが推奨されています。

鮭一切れ(80g)を食べると、17.8gのタンパク質が摂取できるので、毎日とまではいかなくとも積極的に食べたい食品ですね。

貧血を予防する「ビタミンB12」

ビタミンB12はビタミンB群の1つで、血液を作るときに重要な栄養素です。

この栄養素は、植物性食品にはほとんど含まれていないため、ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)の人は、ビタミンB12欠乏になりやすい傾向に。

一方で、ビタミンB12は動物性食品に多く含まれているため、主菜と副菜が揃った食事を意識すると不足しにくいですよ。

さて貧血気味だと顔色がくすみがちになるだけでなく、血流が悪いため乾燥してツヤのない肌になります。

貧血対策というと鉄分摂取だけをイメージしがちですが、血液にはビタミンB12をはじめ、さまざまな栄養素が関わっているので、多品目の食品を食べるように心がけるとよいでしょう。

カルシウムの吸収を促す「ビタミンD」

ビタミンDの主な働きは、腸や腎臓でカルシウムの吸収をサポートすることです。そのため、ビタミンDが不足するとカルシウム不足となり、骨粗しょう症の原因となります。

さて、ビタミンDは日光浴(紫外線照射)をすると、体内で作り出されることで有名な栄養素です。15分程度日光浴をすれば十分なビタミンDが作られる、といわれています。

ただし、気象条件に左右されやすく、なによりも日光浴はシミやそばかすの原因になります。なので肌のことを考えると、ビタミンDは食事から摂取することがオススメですよ(ビーガンの人はビタミンDも不足しがちな栄養素なので要注意です)。

なお、ビタミンDは脂溶性のため、油分のある食品と併せると吸収率がアップします。その点、鮭には脂が含まれているので、ビタミンDを効率よく摂取できる食品といえますね。

関連記事:実はすごい!しいたけに詰まった栄養成分と効能効果を徹底解剖

血管年齢を若く保つ「EPA」

血管を若く保つEPA
EPAは脂質の一種で、人の体ではほとんど作ることができない栄養素です。おもに魚の脂に含まれており、「血液をサラサラにする」と人気の成分となっています。

血液をサラサラにすることで、血管年齢を若く保ち脳梗塞や心筋梗塞を防ぎます。

そしてなにより、血管が健康だと血流がよくなり、肌や髪のトラブルが起こりにくくなりますよ。

脂質は摂りすぎると肥満の原因になりますが、人の体にとって欠かせない栄養素なので適量摂取っする必要があります。

定番食品でもある鮭を日々の食事に摂り入れていきましょう。

関連記事:さばのカロリーは高いが糖質は低い~ダイエット中の食べ方についても詳しく解説~

老化防止の立役者「アスタキサンチン」

アスタキサンチンは、鮭の他にはイクラやカニやエビなどにも含まれるカロテノイド系(※)の赤い色素で、抗酸化力があります。
(※)カロテノイドには600種類以上の仲間がいますが、有名なものとしてトマトに含まれる赤い色素のリコピンや、人参に含まれるオレンジ色のβ-カロテンなどが挙げられます

アスタキサンチンの抗酸化力はとても強力で、ビタミンEの約1000倍ともいわれています。つまり、生活習慣病や動脈硬化の原因となる活性酸素の働きを抑える働きが強いため、老化防止に役立つ栄養素なのです。

ところで、アスタキサンチンの赤色は、自然界で生きている間はくすんだ色をしていますが、加熱することで本来の鮮やかさを取り戻します。

余談になりますが、アスタキサンチンはロブスターから発見された成分で、「アスタ」はロブスターの生物学上の名前からとったものなのですよ。

鮭の皮に含まれる栄養成分とは

鮭の皮に含まれる栄養成分とは
あなたは焼き鮭の皮は食べていますか?それとも食べずに残していますか?

鮭を皮付きのまま食べた場合と、皮を取り除いて食べた場合で比べると、ビタミンE・EPAカルシウムは25%ほど減少し、ミネラルの銅については半分近くも減少することがわかっています。

皮には脂質が多く含まれるため、カロリーは高くなりますが、貴重な栄養素ですので余すことなく食べきりましょう。

カロリーを抑えたい時は皮を残すのもいいですが、油を使わない調理法にする方法もありますよ。

関連記事:鮭のカロリーと糖質は高い?〜ダイエット中も食べてOKか徹底検証〜

鮭に美容効果はあるの?

答えはもちろんYESです。

というのも鮭には、

・良質なタンパク質
・貧血(顔色)を改善するビタミンB12
・血管年齢を若く保つEPA
・強力な抗酸化作用のあるアスタキサンチン

が含まれているからです。

つまり、鮭を日々の食事に摂り入れれば、サプリメントに頼らずとも美肌を手に入れられます。

鮭は疲労回復に効果的な食品か

鮭は疲労回復に効果的な食品か
鮭に含まれるアンセリンという成分が疲労回復に期待ができる、という研究結果があります。アンセリンは研究途中の成分なので、今後の発表を楽しみに待ちましょう。

一緒に食べると良いものって何?

鮭にはビタミンDが豊富なため、カルシウムを含む食品と一緒に食べるのがオススメです。なぜなら、ビタミンDにはカルシウムの吸収を促す効果があるからです。

カルシウムが多く含まれる食品には、牛乳などの乳製品や豆腐があります。

たとえば、

・鮭をミルクスープの具として使う
・鮭のチーズ焼きにする
・お肉の代わりに鮭を使った豆腐ハンバーグ

などはいかがでしょうか。

朝食の定番である焼き鮭と豆腐入りお味噌汁の組み合わせは、栄養面から見ても理に適っているといえますね。

鮭フレークにも栄養はあるのか

答えはYESです。

しかし、市販されている鮭フレークには、焼き鮭をほぐしただけのものと、油や調味料などが加えられているものがあります。

鮭以外の食品が加えてあるとその分カロリーや塩分が高くなるので、カロリーや塩分の気になる方は表示を確認してから購入しましょう。

鮭を毎日食べると体にいいの?

食べる量に注意すれば毎日食べても問題ありません。

しかしながら、鮭以外の旬の魚もオススメですよ。

旬のものは栄養価が高くお手頃な価格で手に入れることができるので、バランスよく摂り入れていきましょう。

子どもが毎日食べても大丈夫か

もちろん、毎日食べても大丈夫です。

鮭に含まれる栄養素は大人だけではなく、成長期の子どもにとっても嬉しいものばかりだからです。

ただし、養殖の銀ざけは脂質が多いので食べる量には注意しましょう。

鮭とサーモンの違い

鮭の豆知識
鮭とサーモンの呼び名の違いは、育った環境による分け方が一般的で天然ものを鮭、養殖ものをサーモンという名前で売られています。

鮭は自然界を回遊している影響で、寄生虫がいる可能性があり生食できません。

一方でサーモンは、管理された環境下で育てられているため、寄生虫の心配がなく生食できます。

体が喜ぶ鮭のお手軽レシピ

【鮭の和風チーズ焼き】
体が喜ぶ鮭のお手軽レシピ
日本人が不足しがちな栄養素といえばカルシウム。鮭に含まれるビタミンDには、カルシウムの吸収を促進する働きがあります。

鮭とチーズを組み合わせは美味しいだけでなく、栄養面からみても理想的な組み合わせといえますね。

【材料】~2人前~
・生鮭                 2切れ
・しめじ              60g
・玉ねぎ              1/2個
・パプリカ           50g
・マヨネーズ       大さじ2
・味噌                  小さじ1/2
・ピザ用チーズ    30g
・乾燥パセリ       お好みで

 
【作り方】
①ほぐしたしめじ、スライスした玉ねぎとパプリカを電子レンジで柔らかくなるまで加熱する
②味噌とマヨネーズを混ぜ合わせる
③鮭に軽く塩を振って、焼き目が付かない程度に焼く
④鮭に①、②、チーズの順に重ねて焦げ目がつくまで焼く
⑤お好みでパセリをかけてできあがり

まとめ

以上、鮭の栄養成分と効能効果についてお伝えしました。

鮭には、体の土台となるタンパク質や、抗酸化作用が強いアスタキサンチンや、血管年齢を若く保つEPAが豊富なので、美肌にとって嬉しい食材ということがわかりました。

そして皮まで残さずに食べると、より栄養素を摂取できるという点も覚えておいてくださいね。

それでは当記事が参考となり、日々の食事に鮭を取り入れていただければ幸いです。

なお、弊社の開発する無料の人気アプリ・シンクヘルスでは食事、体重、運動、血糖値の記録がとてもカンタンにできます。日々の健康管理・維持にぜひ活用してみてくださいね。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット

厚生労働省 e-ヘルスネット
J-STAGE カロテノイド研究40年ー天然色素に魅せられてー アンセリン含有サケエキスが学生スポーツ選手の疲労低減に及ぼす効果

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