産後ダイエットの効果的な方法とは〜成功の秘訣を管理栄養士が紹介〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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「妊娠中、予想以上に体重が増えてしまった…」
出産後の体重を減らすのはなかなか難しいものです。
「産んだらすぐ体重が戻ると思っていたのに、どうしよう」
「ダイエットを始めるのは授乳が終わってから?」
「骨盤がずれてるのか、お腹周りが大きくなったままなんだけど…」
出産後のダイエットに関する悩み。
そこで今回は、妊娠中に増えた体重を元に戻す方法についてご紹介します。
お腹を引き締める方法やダイエットサプリに関することまでお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
産後ダイエットとは
産後ダイエットとは出産で増えた体重を、食事や運動で落としていくダイエットのことをいいます。
産後ですので体はデリケートです。そのため通常のダイエットとは異なります。
いつから始めるのがいいの?
産後2-3ヶ月を過ぎた頃から、少しずつダイエットに意識を向けるのが良いと思います。出産を終えたあなたの体は非常に疲れている状態ですので、産後1-2ヶ月はしっかり回復させることを優先しましょう。
また産後の1ヶ月半〜2ヶ月頃までは産褥期(さんじょくき)という、体が妊娠前の状態に戻ろうとする期間です。この期間中の身体は、ホルモンバランスを妊娠前に戻したり子宮を少しずつ小さくしたりと、引き続き頑張っている状態です。
そこで産褥期を過ぎ、赤ちゃんとの生活に少し慣れた頃からダイエットを始めるのがよいでしょう。
※身体の状態には個人差がありますので、ご自分の体調と相談しながら始めることをおすすめします。
実は産褥期後の3-4ヶ月間がダイエット成功の鍵
産褥期を含む産後6ヶ月頃までは、出産後の体が妊娠前の状態に戻ろうとする「ボディリターン期」と言われる時期です。
妊娠中は赤ちゃんを守るため、体は水分や脂肪を蓄えていましたが、産後のホルモンの変化に伴い、不要になった水分や脂肪を落としていきます。その期間が産後半年ほど、とされているのです。
つまり、この時期にダイエットを頑張ると結果が出やすいのです。
とはいえ上記でもお伝えしたとおり、産褥期は体力の回復や体のリカバリー、さらに赤ちゃんの授乳で多くの栄養が必要だったり、ホルモンの関係でマタニティブルーになったりする時期でもあります。
そこで産褥期後の3-4ヶ月間でダイエットに集中して取り組むと、体に負担が少なく自分のペースで行えるでしょう。
産後ダイエットの効果的な方法とは
ダイエットの基本は食事と運動です。
特に産後ダイエットでは「食べて痩せる食事」「継続できる運動」が大切です。育児との両立の中、無理なく実施しましょう。
食事でのポイント
授乳を行いながら極端な食事制限をしてしまうと、母乳の質が悪くなったり出なくなったりすることもあります。ですから、まずは栄養バランスの良い食事を1日3食しっかり摂るようにします。
そのためには、低脂肪・高たんぱく質の白身魚や大豆製品、野菜、キノコなどを積極的に食べると良いです。基本は和食にして一汁三菜を意識すると、バランスが整いやすいですよ。
そして間食は極力控え、余分なカロリーは摂らないように心がけます。
野菜から食べるのも良い
赤ちゃんが寝ている間に食べよう…など、さっと食事を済ませたい時間帯もあるでしょう。そこでオススメのが、ベジタブルファースト(野菜から食べる)です。
べジタブルファーストでは食物繊維の多い野菜や海藻類を先に食べてから、次に肉や魚などのメイン、最後にご飯を食べます。
この方法ですと糖質の吸収が緩やかになり、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌量を抑えることができます。インスリンは過剰分を脂肪として体内に蓄積する働きもありますので、ベジタブルファーストも有効なダイエット手段といえますね。
水分はしっかり摂る
授乳中はたくさんの水分を母乳に取られますので、喉が乾きやすくなります。
こまめな水分補給が大切ですが、ジュースやスポーツ飲料には糖分が多く含まれていますので、水やお茶(麦茶など)がよいでしょう。
水分は体のめぐりをよくし、代謝を上げるのにも役立ちます。
参考記事:お茶にダイエット効果はあるの?〜痩せるお茶の真相・効果に迫る〜
ウォーキングやストレッチから開始しよう
出産後、特に授乳中は無理に体を動かすと血液の流れがよくなりすぎ、胸が張って授乳に支障がでる場合があります。
そこで、軽めのウォーキングやストレッチから始めるのがオススメです。
特にお腹を引き締めたい!どうしたら良いの?
「ジーンズのチャックが上がらない…」「食後じゃないのに、お腹だけぽっこりしているような気がする」
出産後のこのような悩みはあなただけではありません。産後、多くの女性が同じように感じているのです。
気になるお腹まわり、どうしたら良いのでしょう。さっそく、対策をお伝えしますね。
骨盤矯正は効果的
出産時には骨盤が開きますので、産後は骨盤にゆがみが生じやすくなります。
骨盤が開くとよろしくないのは、内臓が下に下がってしまって下腹部がぽっこり出てしまうことです。ですから骨盤矯正は、お腹周りの体型をよくするためにも効果的といえます。
最近は骨盤矯正ベルトもありますので、気になる方は調べてみるものよいでしょう。
筋トレ(腹筋)は取り入れた方がいい
ぽっこりお腹は、腹筋の弱さから起こることが多いです。
そして妊娠中、腹筋は赤ちゃんの成長(お腹が大きくなる)でどんどん引き伸ばされますので、どうしても弱くなってしまいます。
ダイエットを始めたら、少しずつ腹筋運動も取り入れましょう。
①仰向けなって、足を肩幅ほどに開く。
②両腕を頭の後ろで組む。自分のおへそを覗き込むように、頭だけを起こす。
③②の状態を2-3秒保ち、ゆっくりと頭をおろす。
※①〜③を、10回目安に行うと良いです。
産後ダイエットに関する質問をまとめました
出産後、すぐに痩せないのはどうして?
実は妊娠中に、約3キロ分の脂肪(皮下脂肪)が蓄えられるからです。
この脂肪は、胎盤の急速な発育のために使われるの大切なものです。しかし出産までに使い切られることはなく、産後も残ってしまいます。
ですから出産と同時に元の体重に戻ることは難しいのです。
帝王切開で出産した場合もダイエットをして良いのか
帝王切開で出産した場合は、傷口が良くなるまで少し時間がかかるかもしれませんので、3-4ヶ月経過した頃の状態を見て判断しましょう。
ご自身での判断が難しい場合は、主治医に相談しても良いと思います。
サプリメントは母乳に影響する?
授乳中のサプリメントの服用は、母乳に影響する可能性があります。
なぜなら母乳はあなたの血液から作られるからです。あなたが口にしたものは、巡り巡って赤ちゃんの口に入っていきます。
そこで、ダイエットサプリを活用したい場合は授乳が終わってからの方がよいでしょう。
しかし最近のサプリメントには、授乳中でもOKというものもあるようです。気になる方は主治医に尋ねてみるとよいかもしれません。
まとめ
以上、産後のダイエットについてご紹介しました。
個人差はありますが、産後2-3ヶ月を過ぎた頃からダイエットに意識を向け始め、赤ちゃんとの生活に少し慣れた頃、本格的にダイエットを開始しましょう。
そして産後ダイエットでは「食べて痩せる食事」「継続できる運動」が大切です。育児と両立しながらですので、無理なく進めていただければと思います。
またお腹の引き締めには骨盤ベルトの活用や腹筋が効果的ですので、取り入れるものよいですね。
当記事があなたの産後のダイエットに役立つと嬉しいです。
なお弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスではカロリー&糖質を含む食事・体重・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
国立健康・栄養研究所 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 -妊娠前から、健康なからだづくりを-
赤ちゃんとお母さんのための妊娠中にのご飯 井上レディースクリニック院長 井上裕子監修 池田書店
厚生労働省 e-ヘルスネット ダイエット
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020 4-4-5 授乳婦
千葉大学予防医学センター ちばエコチルつうしん Vol.5 2014年8月