オレンジのカロリーは低く糖質はやや高め〜ダイエット効果や食べ方を解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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さわやかな酸味のあるオレンジは、美容や健康に良いイメージがありますよね。
そんなオレンジですが、実はカロリーは低く糖質はやや高めの果物です。
そこでこの記事では、オレンジのカロリーや糖質はどのくらい含まれているのか、またオレンジの栄養素も分かりやすくお伝えしていきます。
オレンジのダイエット効果や食べ方もご紹介しますので、最後までお付き合いください。
目次
オレンジ100gのカロリーと糖質
オレンジには主に、ネーブルオレンジとバレンシアオレンジの2種類があります。
ネーブルオレンジは100gあたり48kcal・糖質8.3g、バレンシアオレンジは42kcal・糖質7.1gで、食品の中ではどちらもカロリー・糖質共に低めです。
ちなみに主にアメリカやカリフォルニアから輸入されているネーブルですが、国内産は2~3月に出回ります。
なお「ネーブル」には「へそ」の意味があり、へたの反対部分が「へそ」のように見えることから名づけられました。
一方のバレンシアオレンジは、オレンジの中で最も生産量が多い品種です。そして大部分がカリフォルニアやフロリダから輸入されていますが、国産もあり80%以上を和歌山県が栽培しています。
1個あたりのカロリーと糖質
ネーブルオレンジ・バレンシアオレンジ共に、1個で約200gあります。
よって1個あたりで見ると、ネーブルオレンジは96kcal・糖質は16.6g、バレンシアオレンジは84kcal・糖質14.2gです。
参考までに、同じ柑橘類のグレープフルーツは1玉あたり84kcal、糖質18.9gです。
つまりネーブルオレンジ・バレンシアオレンジ共に、1個あたりだと一般的に見てカロリーは低めですが、糖質はやや高めと言えます。
マンダリンオレンジはどうか
100gあたり42kcal・糖質8.9gが目安となり、マンダリンオレンジも100gで見るとカロリー・糖質共に低めです
またマンダリンオレンジは1個で約150gありますので、1個あたり63kcal・糖質13.4gです。つまりマンダリンオレンジも1個で見ると、カロリーは低く糖質はやや高めと言えます。
参考までに、果皮の色が黄橙(だいだい)色で薄く、手で簡単に皮をむくことが出来るマンダリンオレンジは、ポンカンと同じ仲間です。そのためここではポンカンの栄養価を反映しました。
参考記事:みかん1個の糖質やカロリーは?ダイエットや糖質制限に良いのか分かりやすく検証
オレンジはダイエットに向いている
結論から申し上げますと、オレンジはダイエットに向いています。
というのもオレンジには、同じく甘い食べ物である洋菓子と比べるとエネルギーの高い脂質(※)がほとんど含まれていません。
(※)脂質は私たちの身体に必要なエネルギー源ですが、摂りすぎると肥満につながります。
参考までにバターや生クリームが使われているショートケーキと比較してみましょう。
オレンジ1/2個(100g)はショートケーキ1切れ(100g)と比べると、カロリーは約1/7・糖質は約1/5、脂質においては1/147も低くなります。
よってダイエット中に甘いものが欲しくなった時は、ショートケーキ等の洋菓子より果物のオレンジを選ぶ方が太りにくいと言えますね。
参考記事:ブドウのカロリーと糖質は高い? ~美味しいけど食べ過ぎは程々に~
イノシトールがコレステロールを低下
オレンジにはイノシトールと言われるビタミン様物質(※)が含まれています。
(※)ビタミン様物質とはビタミンに似た作用のある物質のことです。
イノシトールは細胞膜を構成するだけでなく、脂肪の分解やコレステロールを低くする働きがあります。
イノシトールが多いオレンジはコレステロールが気になる方には嬉しい果物ですね。
カリウムでむくみ解消
オレンジには、むくみ解消に効果的なカリウムが含まれています。
むくみは体内の水分量のバランスが崩れ、皮下組織に水分がたまる状態を指し、塩分の摂りすぎによっても起こります。
そしてカリウムはミネラルの一種で、ナトリウムを尿中に排泄する働きをしていて、塩分の摂りすぎを調整しています。
オレンジを食べる事により、効率的にカリウムが摂れるのは嬉しいですね。
ダイエット中のオレンジの食べ方と注意点
オレンジもですが一般的に果物は1日200g(※)を目安に、朝や昼の活動時間が多い時間帯に食べることを推奨しています。
(※)参考までに厚生労働省が定める「健康日本21」では、健康増進のために1日200gの果物を摂る事を推進しています。
また、夜に食べるとエネルギー消費が少ないため、余分なカロリーは脂肪として身体に蓄えられてしまうことがあります。
そしてネーブルオレンジ1個(200g)では糖質が16.6g、バレンシアオレンジ1個では14.2gとやや高めになりますので、ダイエット中で糖質が気になる場合は、1日100g(オレンジ1/2個)を目安にすると良いでしょう。
その他のオレンジの栄養素も紹介
オレンジには、先ほどご紹介したイノシトールやカリウムの他にも色々な栄養素が含まれています。
①ビタミンC
オレンジの果汁から発見された水溶性のビタミンで、アスコルビン酸とも言われています。
ビタミンCには、日焼けを防ぐ効果や病気に対する抵抗力を強める働きがあり、さらに抗酸化作用もあるため老化予防にも役立ちます。
さらにネーブルオレンジ1個で1日のビタミンC推奨摂取量(※)を満たすことも出来るのです。
(※)厚生労働量の「日本人の食事摂取基準」では、成人のビタミンC摂取推奨量は100mg/日と設定されています。
ビタミンCは私たちの体内では合成できず、食事から摂る必要があるので、ビタミンCを摂りたい時はオレンジを選ぶと良いですね。
②βクリプトキサンチン
オレンジの黄橙(だいだい)色の成分で、ネーブルオレンジに多く含まれます。
体内ではビタミンAと同じ働きをし、抗酸化力が強く病気に対する抵抗力があると言われています。
③ヘスペリジン
オレンジの果皮に含まれているフラボノイド(※)の一種です。ビタミンPとも言われ、抗酸化作用や血流を上げる効果があります。
(※)ポリフェノールのひとつで、天然に存在する植物色素をまとめた名前です。
④βカロテン
赤色の色素成分で抗酸化力があります。体内の必要量に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康に役立ちます。
まとめ
以上、オレンジ1個(200g)あたりで見ると、ネーブルオレンジは96kcal・糖質は16.6g、バレンシアオレンジは84kcal・糖質14.2gでカロリーは低いですが、糖質はやや高めという事が分かりましたね。
よってダイエット中のオレンジの食べ方は、活動時間が多くなる朝や昼に1日100~200gを目安にすると良いでしょう。
またオレンジには、コレステロール低下の効果があるイノシトールやむくみ解消効果あるカリウム等が含まれるのもポイントです。
さらにネーブルオレンジ1個で1日に必要なビタミンCが摂れるので、美容をサポートするのにぴったりの果物ですね。
今回の記事により、オレンジをうまく取り入れて楽しくダイエットしていただけると嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
■参考文献
日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)
静岡県公式ホームページ ふじのくに ネーブル
うるおいのある食生活推進協議会 ネーブル(ネーブルオレンジ)
JAありだ みかんの仲間たち
農林水産省 認定基準の各項目に係る農林水産業システムの説明
田中消化器科クリニック ビタミンの解説
健康長寿ネット カリウムの働きと1日の摂取量
全国健康保険協会 足元すっきり むくみ対策
健康長寿ネット ビタミンCの働きと1日の摂取量
総合南東北病院 生活習慣病とフルーツの関係
J-Stage 糖転移ヘスペリジン
健康長寿ネット フラボノイドの種類と効果と摂取量