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枝豆の栄養成分と効能〜気になる黒枝豆についても管理栄養士がポイント解説〜

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枝豆の栄養成分と効能〜気になる黒枝豆についても管理栄養士がポイント解説〜

当記事の執筆は、管理栄養士  白石香代子が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

「枝豆はダイエット中に食べてもいいの?」
「栄養たっぷりと聞くけれど、どんな栄養素が含まれているの?」

実際、枝豆は野菜類として分類されており、からだを健康に保つために必要な栄養素をいくつも含んでいます。そして、健康のために痩せたいと思っている方にもオススメの食材です。

では実際のところ、枝豆に含まれる栄養成分はどのように健康と関連しているのでしょうか。その答えを探るべく、これから枝豆に含まれている注目の栄養素について一つ一つ解説していきます。

また、記事の後半では枝豆を食べる時の注意点なども紹介します。当記事を読めば枝豆に詳しくなりますのと、今後の食生活の参考にもなるでしょう。

枝豆の栄養素と効能

枝豆の栄養素と効能
枝豆の最大の特徴は、さやの中に入っていているため茹でても栄養素を失いにくく、効率的に摂取できる点です。

では、枝豆に含まれる具体的な栄養素について見ていきましょう。

たんぱく質

そもそも枝豆とは、大豆を青い段階で収穫したものです。

「ということは枝豆は野菜ではあるけれど、大豆に豊富と言われているたんぱく質も豊富なのでは!?」

と考えますよね。

実はその通りなのです

枝豆はからだを作るたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質が作るのは筋肉や臓器、皮膚、毛髪、ホルモンなどたくさんあります。

ちなみに、筋肉量を増やすことで代謝は上がりますし、臓器を健康に保つと疫力アップが期待できます。

食物繊維

食物繊維の主な働きには、おなかの調子を整える、血糖値の上昇を抑える、血液中のコレステロール濃度を低下させるなどがあります。

アメリカでは、食物繊維の摂取量が多いと糖尿病などの生活習慣病の発症リスクの低下が観察されるとの研究報告があるのです。上記のことからも、食物繊維は健康にもってこいということが分かりますね。

しかしながら食物繊維は日本人のほとんどが不足していると言われている栄養素です。

ちなみに、食物繊維の日本人の1日の「目標量」は18〜64歳で男性21グラム以上、女性18グラム以上となっていますが、茹でた枝豆の可食部(食べられる部分)100グラムあたり、4.6グラムも食物繊維を含んでいます。

鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球の構成成分ですので、不足すると貧血や認知機能が低下してしまうかもしれません。そして、実は鉄も日本人が不足しがちな栄養素なのです。

しかし枝豆には100gあたり2.7mgの鉄が含まれます。これは成人男性における1日の鉄の推奨量の約36%にも当たるので、枝豆は鉄分がたっぷりと言えますね。

枝豆ってすごいですよね。ただ、枝豆に含まれる鉄分は吸収されにくいかたちをしているので、吸収を助けるビタミンCや、吸収されやすい鉄を含む赤身の肉や魚と一緒に食べるとよいでしょう。

ビタミンB1・B2

枝豆はビタミンB1やB2も含んでいます。ビタミンB1やB2は、夏バテ防止や疲労回復にも効果的です。ほかにも身体の中のたくさんの代謝に関わっています。

さて、飲み薬タイプの肌荒れ・口内炎治療薬の説明書きなどを見てみると、ビタミンB2が配合されているのをご存知でしょうか。つまりは肌荒れが気になる方にも枝豆はオススメです。

このように、枝豆には女性にとってもありがたい役目もありますね。

カルシウム

枝豆の栄養

カルシウムは言わずもがな、骨を作る成分ですが、実は枝豆にもカルシウムが含まれます。

例えば牛乳(※)100gあたりのカルシウムは110mgなのですが、枝豆には約半分の58mgが含まれるのです。

(※)普通牛乳の数値を参照

カルシウムが豊富なのは乳製品だけではない、ということに驚きですよね。人生100年時代と言われる今、少しでも元気な足腰でいるためにはカルシウム豊富な枝豆は見逃せませんね!

枝豆に大豆イソフラボンは含まれるのか

枝豆にも大豆イソフラボンは含まれていますが、残念ながら大豆と比べてかなり少ないです。

なお大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすると言われており、更年期障害の軽減や骨粗しょう症の予防に期待されています。

参考記事:枝豆のカロリーは高く低糖質?〜その他の栄養やダイエットでの活用を含めポイント解説〜

ダイエット向き?枝豆の食べ過ぎは太るのか

ダイエット向き?枝豆の食べ過ぎは太るのか

ここまで枝豆に含まれる主な栄養素について解説してきました。枝豆には多くの重要な栄養素が含まれていることが分かりましたね。

では、そんな枝豆ですが

・ダイエットに向いているのか
・どのくらい食べるとよいのだろう
・逆に食べ過ぎはよくないのか?

などまだまだ疑問もありますよね。枝豆は野菜としてはカロリーや脂質、糖質が高めですが、脂質・糖質においては食べ物全体でみると低めです。

よってダイエットに向いていると言えます。そのため痩せようと考えている方は、おやつに食べていたスナック菓子を枝豆に置き換えることから始めるのもよいのではないでしょうか。

量に関しては、のちに理由を示しますが、小さな茶碗1杯に収まる程度の量にすると食べ過ぎで太るとも言えずちょうどよいでしょう。

食べ過ぎは痛風になるのか

痛風の発症要因のひとつに、プリン体の摂り過ぎがあります。そして枝豆は、そのプリン体をやや多めに含んでいるのです。

「あれ、枝豆は健康にいいんじゃなかったの?」と思った方もいるかもしれません。

しかし、アルコールやレバー、干物など枝豆よりも多くのプリン体を含んでいる食品はたくさんあります。また、痛風の予防にはカルシウムや鉄が効果的だと言われており、枝豆はそれらも含んでいます。

よって食べすぎなければ枝豆に含まれるプリン体を気にする必要はありません

糖尿病や糖質制限中でも枝豆を食べて大丈夫か

糖尿病や糖質制限中でも枝豆を食べて大丈夫か

枝豆は糖質が少ないので、糖質制限中の方にはうってつけと言えるでしょう。しかし、食事でなによりも重要なのはバランスです。

糖類は脳のエネルギー源ですし、悪役に思われがちな脂質も身体をを構成していたり、ホルモンになったり、からだの中で重要な役割を果たしています。

実際、糖尿病患者も食事において、様々な注意点があるものの、すべての栄養素をバランスよく摂ることがよいとされています。

もちろん枝豆だけではまかなえない栄養素もあります。枝豆ばかりを食べて他の栄養素が摂れなければ、かえって健康とは言えない食事になってしまいますよね。

よって、枝豆も先ほど紹介したような栄養素を摂ったり、食事のカロリーを抑えたいときに食べるとよいですが、茶碗1杯程度の量までとし、同時に色々な食材も摂るようにしましょう。

また、もう一つ注意点があります。

枝豆をゆでる時に塩で味付けをすることが多いと思いますが、塩分の摂り過ぎには注意しましょう。塩分の摂り過ぎは高血圧などの原因になります。しょっぱいと感じるような量は控えることをオススメします。

塩茹でした枝豆の食べすぎは同時に塩分の摂取にもつながることを、頭の片隅に入れておいていただければと思います。

今話題!あの黒枝豆の栄養はどうか

黒枝豆の栄養

さて話題は変わりますが、黒枝豆をご存じでしょうか。

黒枝豆とは、おせち料理でおなじみの煮物に使われている黒豆を若い段階で収穫したものになります。豆が少し黒っぽいのが特徴ですが、見た目はさほど通常の枝豆と変わりません。

それでは栄養の方を見ていきましょう。

黒枝豆の栄養も枝豆とあまり変わりません。ただ、ひとつ異なるのは黒枝豆にはアントシアニンが含まれていることです。アントシアニンには血液サラサラ効果や、目の機能の改善の効果が期待されています。

参考記事:そら豆の栄養成分~健康に良い成分を詳しく解説~
参考記事:知らないと損!黒豆の栄養と効能~黒豆茶・黒枝豆の栄養価も解説~

簡単!冷凍えだまめを使ったレシピをご紹介

ここでは、枝豆を使ったお手軽レシピをご紹介します。主な材料が枝豆とあさりなので、糖質が気になる方も安心して食べることができる酒蒸しです。

また、冷凍枝豆を使っているので、普段料理をしない方でも簡単に作っていただけるかと思います。

【枝豆とあさりのさっぱり酒蒸し】
【枝豆とあさりのさっぱり酒蒸し】

【材料】〜1人前〜
あさり          20個
☆塩あじ付き冷凍枝豆   20さや
☆料理酒        大さじ4
☆水          大さじ5
しょうゆ        適量
三つ葉         適量

 

【作り方】
①あさりをこすり洗いし、塩水に漬け、1時間以上おいて砂抜きをする。
②鍋に①のあさりと☆を入れ、中火にかける。
③あさりの殻が開いたら火をとめて、しょうゆを数滴たらして軽く混ぜる。
④皿に盛りつけて、細かく刻んだ三つ葉を散らす。

参考記事:あさりはすごい!殻に閉じ込められた栄養素を大公開します

まとめ

以上、当記事についてまとめますと、

・枝豆はたんぱく質、食物繊維、鉄、ビタミンB1、B2、カルシウムなど様々な栄養素が含まれている
・ダイエットや糖質制限に向いている

となります。

枝豆は健康によい食材だと分かりましたね。食べすぎや塩の振りすぎには注意して、枝豆の良さを最大限に引き出していきましょう。

それでは当記事が、あなたの健康に少しでもお役に立てれば幸いです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。


 
参考文献
・e-ヘルスネット
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所  枝豆にはイソフラボンは含まれますか?
食品成分データベース
・JA丹波 とれたて野菜直売所
健康長寿ネット
・公益財団法人痛風・尿酸財団 食品中のプリン体含有量一覧表
・東京化学同人, 飯田薫子ら「 疾病のなりたち」99, 112, 132~134 ページ
・日本人の食事摂取基準 2020年版
・Andrew Reynolds, Jim Mann, John Cummings, et al. Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses. Lancet 2019, 393, 434-445

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