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にんにくの栄養と効能効果~食べ方のコツや健康に良いかどうかを徹底解説~

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にんにくの栄養と効能効果~食べ方のコツや健康に良いかどうかを徹底解説~

当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

独特の強いにおいが特徴のにんにくは、パスタや炒め物に欠かせない食材ですね。

そして、にんにくは栄養価が高い上に体に嬉しい成分も多く含まれているため、スタミナ食材とも言われています。

今回は、そんなにんにくの栄養と効能をわかりやすくお伝えしていきます。にんにくの食べ方のコツもご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

にんにくの栄養と効果効能

にんにくの栄養と効果効能

にんにくは、60%以上が水分を占めるものの、私たちの体に嬉しい栄養素も多く含まれます。

では早速、順に解説していきますね。 

体のエネルギー源炭水化物

炭水化物は、体内に吸収されてエネルギー源となる“糖質”と、消化吸収されない“食物繊維”に分けることが出来ます

さらに食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、にんにくには両方の食物繊維が含まれるのです。

水溶性食物繊維は、血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあり、不溶性食物繊維は便のカサを増やして便秘の解消に役立ちます。

参考記事:いちごの栄養成分で健康づくり~効能を活かした食べ方やレシピも伝授~

疲れに効くビタミンB1

水溶性ビタミンに分類されるビタミンB1は、エネルギー産生に関係し不足すると疲れやすくなったり食欲不振が起こります。

ビタミンB1は、にんにくに含まれているアリシンと結合すると吸収率が高くなりますが、熱に弱い性質があるため短時間で加熱調理することがポイントです。

ビタミンB1を助けるアリシン

にんにくは、アリシンが豊富です。

アリシンはにんにく臭のもとになる成分で、ビタミンB1を活性化させる働きや抗菌作用が期待出来ます

にんにくに滋養強壮があると言われている理由は、アリシンがエネルギー代謝に必要なビタミンB1を活性化させて、代謝率をあげるためです。

しかし、にんにくを食べすぎると胃粘膜障害を起こす可能性があるので、食べすぎには注意が必要です。

骨や歯をつくるリン

リンは骨や歯の正常な発達に必要なミネラルで、カルシウムと共に骨や歯を構成しています。

さらに心臓や腎臓の機能を維持したり、神経の伝達促進にも関与しています。

参考記事:【意外に知らない】わかめの栄養成分~健康効果を詳しく解説~

塩分のバランスを調整するカリウム

カリウムは、尿中にナトリウムを排泄する働きがあるため、塩分の摂り過ぎを調整してくれます。

参考記事:きくらげの意外な栄養成分~体に嬉しい効能とデメリットもお伝えします~

【生・加熱・炒め】効能を活かした効果的な食べ方は?

にんにくは、生のまま食べるのが一番効果的です。

なぜなら、にんにくに含まれるビタミンB1は熱に弱く、茹でたり炒めると失われやすい特徴があるからです。

しかしにんにく臭のもとになるアリシンは、ビタミンB1と結びついて損失を防いでくれます。なおアリシンの効果は刻んだりつぶしたりすることで強くなります。

しかし、アリシンは口臭の原因ともなるため、においが気になる方は、

①調理の際に熱を加える
②丸ごとホイル焼きや素揚げする料理

にすると良いでしょう。

冷凍にんにくは栄養がないのか

結論から申し上げますと、にんにくを長期間冷凍するとビタミンなどの栄養素が減ります

さらに、長期間冷凍することでにんにくの表面が乾燥して、パサついた状態になる“冷凍やけ”を起こす可能性もあります。

よって、みじん切りやスライスして冷凍する場合は、水気をしっかり取って冷凍し2週間~1ヶ月を目安に使い切ると良いでしょう。

にんにくを毎日食べ続けると危険?デメリットは?

にんにくは体に良い一方で、食べすぎると体臭や口臭の原因となるほか、胸やけ・胃のむかつきなどの胃粘膜障害を起こしやすくなります。

特に生のにんにくは刺激が強いため注意が必要です。

さらににんにくに含まれるアリシンを摂り過ぎることで、腸内の善玉菌の動きも抑制してしまう可能性もあるため、自分の適量を見つけてくれぐれも食べ過ぎないようにすると良いでしょう。

摂取量の目安としては生なら1日1片、加熱したものなら1日3片程度を2~3日に1度にするのがオススメです。

参考記事:にんにくのカロリー&糖質は低い?~ダイエットに効果的なのか解説~

黒にんにく・ジャンボにんにくって何?

黒にんにくは、普通のにんにくには少ししか含まれないS-アリルシステイン(※1)やギャバ(GABA)(※2)などが豊富に含まれています。

(※1)にんにくを加熱加工処理することにより生成される、無臭の成分です。
(※2)自然界に存在するアミノ酸の一種で、血圧を下げたりダイエットの効果が期待出来ます。

そして黒にんにくは、白いにんにくを高温・高湿の一定の環境に3~4週間置くことで、熟成して果実が黒くなり、糖度が増えるためドライフルーツの様な触感があります。

一方ジャンボにんにくは、正式には「エレファントガーリック」と呼ばれ、アイリン(※)の含有量が通常のにんにくより少ないため、にんにく臭が少ないのが特徴です。

(※)天然に含まれる成分です。にんにくをすりつぶしたりすることで、アイリンがアリシンに変わりにんにく臭の元になります。

さらにジャンボにんにくは、普通のにんにくとほぼ同じ成分のため、にんにく臭が気になる方には嬉しいですね。

参考記事:黒にんにくの栄養と効能~生にんにくとの違いまで徹底解説~

にんにくの芽の栄養と効能効果

にんにくの芽の栄養と効能効果

別名「茎にんにく」とも呼ばれているにんにくの芽は、中国野菜のひとつで煮物や炒め物に使われます。

そして普通のにんにくに比べると、リンやカリウムは少ないものの、葉酸とビタミンKは多いです

なお葉酸は赤血球の生産を助けたり代謝に関与し、脂溶性ビタミンであるビタミンKは出血した時に血を固まりやすくしたり、骨の生成に関与する働きが期待できます。

次に、にんにくの芽の調理法による栄養素の違いを見てみましょう。

にんにくの芽栄養
*100gあたり

このようににんにくの芽は生とゆでを比べても、栄養素にあまり違いがないことが分かりますね。

一方で油を使う炒め物は、生やゆでたものに比べるとカロリーやビタミンKが高くなると考えられます。

参考記事:ニンニクの芽の栄養成分と効果~実はダイエットにぴったり!?~

まとめ

以上よりにんにくには、ビタミンB1やアリシン・カリウム・リンなどの栄養素が豊富に含まれていることが分かりましたね。

さらににんにく臭の元になるアリシンは、刻んだりつぶしたりすることで増えますが、刺激も強いため食べすぎると胸やけや胃のむかつきを起こします。

にんにくの摂取量の目安として、生なら1日1片、加熱したものなら1日3片程度を2~3日に1度にすると良いでしょう。

今回の記事により、滋養強壮のあるにんにくを日々の食事にうまく取り入れていただけると嬉しいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。


参考文献

日本食品標準成分表 食品成分データベース
独立行政法人農畜産業振興機構 にんにく
農林水産省 東北農政局 令和2年2月

レファレンス共同データベース ジャンボにんにくとは
農畜産業振興機構 にんにくの需給動向
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
厚生労働省 eJIM ニンニク
特許庁 商標登録第5777236号 青森の黒にんにく
金沢市中央卸売市場 青果雑学 にんにく
日本薬学会 環境衛生部会 ニンニクと健康
基山町・鳥栖市マコモタケ研究会 わがふるさとの自慢の野菜
農業工業会 野菜を冷凍保存する時のポイントについて!
J-Stage ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察

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