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【医師監修】糖尿病と白内障の関係〜原因と治療のポイントを徹底解説〜

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糖尿病と白内障の関係〜原因と治療のポイントを徹底解説〜

当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。
執筆はライター
  松原知香(管理栄養士)が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

「糖尿病と白内障って関係あるの?」
「白内障ってお年寄りの病気じゃないの?」

と思う方も多いのではないでしょうか。

実は糖尿病によって白内障が起こってしまうことがあります。

そこで今回は、糖尿病と白内障の関係について解説いたします。予防や治療法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ糖尿病によって白内障になるのか

糖尿病によっておこる白内障の原因として、可能性が高いものはいくつかありますが、はっきりと確定していないのが現状です。

しかし、糖尿病の方は、そうではない方と比較して白内障がより早期、かつ高頻度で発症すると報告されているのです。

その発症リスクは約5倍で、糖尿病の方の約20%が白内障を罹患していると考えられています。

発症・進行リスクは、血糖管理と糖尿病の罹病期間に応じて上昇すると言われているので、発症予防には良好な血糖値の管理が重要です。

白内障の症状

白内障の目

白内障とは、目の中の水晶体が濁ることで起こります。

カメラのレンズのような役割を果たしているものが濁るため、視界が曇ったような見え方となり、目のかすみやぼやけるといった症状が生じます。

また、眩しく感じるような症状(羞明)がみられることもあり、見にくさを感じるのです。

失明するの?

日本では白内障による失明率は3.2%2007年日本における中途失明原因厚労省調査)とされていますが、世界的には失明の原因1位は白内障です。

また失明しなくとも、視界が曇って物が見えにくくなる社会的失明も来します。

緑内障との違い

白内障と緑内障は、異常の生じる場所と症状が違います。

緑内障は、さまざまな原因により眼底にある視神経が障害を受けることで見えない場所が出たり、見える範囲が狭くなったりするといった視野に障害が生じる病気です。

緑内障は視力が低下して失明の危険(※)もあります。また眼圧と呼ばれる眼球の圧力が上昇することで、頭痛や吐き気をきたす場合もあります
(※)日本の失明原因第1位は緑内障。

白内障も緑内障もどちらも眼の病気なので、眼科を受診されたことがある方は耳にしたことがあるかもしれません。また病気の名前も似ているので、区別もつきにくいでしょう。

ところが実際は、異常が起こる場所も症状もまったく違うのです。

白内障を引き起こす原因

白内障の原因となるものは、

・加齢によるもの 
・糖尿病によるもの
・先天的なもの
・目の外傷によるもの
・ステロイド薬剤の長期使用によるもの


など、さまざまです。

なお原因として最も多いのは、加齢によるものといわれています。そのため、一般的には高齢者の患者さんが多い一方、糖尿病性の場合20-30歳代でも発症します。

白内障の治療法

糖尿病に絡んだ白内障の治療

白内障の治療は手術が一般的です。

手術では濁ってしまった水晶体を吸い取って、眼内レンズと呼ばれる水晶体の代わりになるものを目の中に入れます

糖尿病で白内障手術を受ける際のリスク

糖尿病の方は、感染症や目の炎症など手術後の合併症リスクが高くなります

そこで、糖尿病による白内障では加齢によるものと比べて、注意が必要といわれています。

目薬で治療できるのか

目薬はあくまで初期段階の治療です。

そして白内障の初期段階に処方される目薬には、病気の進行を遅らせる効果しかありません一度混濁してしまった水晶体を治すには、手術しかないといえます。

手術費用の相場

白内障の名医

保険の費用負担の割合や手術を受ける眼科によってさまざまで、日帰り手術の場合、片眼で約1万5千円~6万円と幅があるようです。

あくまで目安なので、正確な費用は実際に手術を受ける眼科に問い合わせることをオススメします。

まとめ

糖尿病と白内障の関係性のまとめ

糖尿病による白内障は、高血糖が持続することでリスクが高くなります。

また、白内障の治療は手術が一般的ですが、糖尿病をもっている場合、感染症や目の炎症などの手術後の合併症のリスクが高くなるため、注意が必要です。

白内障だけではなく、糖尿病のさまざまな合併症を予防するためには、良好な血糖管理が欠かせません。当ブログでは、糖尿病の方がよりよい生活を送る上で重要な食事・運動・心理に関する内容の情報を数多くご紹介しています。

当記事とあわせて、ぜひご参考になさってみてください。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。運動や血圧なども記録できますので、ぜひ活用してみてくださいね。

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参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット 眼内レンズ添付文書の禁忌事項等の見直しについて
日本白内障学会 糖尿病白内障に対するアプローチ,

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