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牛肉のカロリーは高く糖質量は少なめ〜ダイエットを考慮し部位別に量を紹介〜

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牛肉のカロリーと糖質

当記事の執筆は、管理栄養士  白石香代子が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

何となく特別感を感じる牛肉。

日本では古墳時代から牛が飼われ、そして明治初期には福沢諭吉の「牛肉は滋養に良い」という教えの影響もあり、牛鍋が大流行しました。

部位によって脂の入り具合や食感などの違いを楽しめる所も、牛肉の魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。

そんな牛肉は、近年の健康志向もあってか、5年前に比べると霜降り肉より脂肪の少ない赤身肉を好む人が増えたそうです。

また結論を先に申しますと、一般的に見て牛肉のカロリーは高いが糖質は少なめです。

それでは当記事では、牛肉の部位別の具体的なカロリー・糖質量や、牛肉の栄養素について分かりやすくお伝えしていきます。

“美味しさを追求した牛肉のダイエットレシピ”もご紹介しますので、最後までお付き合いください。

和牛・輸入牛の部位別100gあたりカロリー量(肩ロース・モモ・ヒレ・ハラミ・ランプ)

和牛・輸入牛の部位別100gあたりカロリー量(肩ロース・モモ・ヒレ・ハラミ・ランプ)

一般的にカロリーは高いが糖質は少なめと言われる牛肉。早速ですが和牛・輸入牛の部位別カロリーを具体的に見てみましょう。

和牛と輸入牛カロリー

上の表から、どの部位を比べても和牛は輸入牛より約1.5倍カロリーが高いことが分かりますね。

そして以下に、部位別の特徴と調理方法をご紹介します。

①肩ロース
背中の筋肉の部分でやや筋があるものの、霜降りにもなりやすく風味も良いのが特徴です。すき焼きやしゃぶしゃぶに最適です。

モモ
赤身が多く脂肪が少ないのが特徴です。焼き肉から煮込みまで幅広く使えます。

ヒレ
肋骨の内側部分で、脂肪が少ないためあっさりとしていて柔らかいのが特徴です。また繊細できめ細かいので、しっとりとした触感があります。ステーキやカツに向いています。

④ハラミ
横隔膜の筋肉を指します。肉厚で柔らかく濃厚なコクとうま味があります。

⑤ランプ
お尻の先の部位で柔らかいのが特徴です。ステーキやローストビーフに最適です。

部位によってお勧めの調理方法が違いますが、カロリーが気になる場合は和牛より輸入牛を選ぶと良いでしょう。

牛肉部位

和牛・輸入牛で一番カロリーが高い&低い部位

肩ロース・モモ・ヒレ・ハラミ(※)・ランプを比べると、和牛と輸入牛では一番カロリーが高い&低い部位に少し違いがあります。

(※)輸入牛のハラミは、栄養表示がないため今回の比較から省いています。

和牛ではハラミが一番カロリーが高く、モモが一番カロリーが低いですが、輸入牛は肩ロースが一番カロリーが高くランプが一番低いです。

ですので和牛・輸入牛共に、カロリーが高い部位と低い部位をうまく組み合わせて食べると良いでしょう。

産地によってカロリーが異なる理由   

産地によってカロリーが異なる理由 

このように産地によってカロリーが異なる理由は、牛が食べている餌(えさ)や飼育管理法によって脂肪含有量に違いが出るためです。
和牛と輸入牛の脂質量

上の表からも分かるように、脂肪交雑(※)の高さが特徴と言われる和牛は、100gあたりの脂質が輸入牛に比べると2~4倍も多くなっています。

(※)脂肪組織が霜降りのように筋肉中に蓄積されている状態の事で、「霜降り」や「サシ」 とも呼ばれます。

ジューシーで柔らかく脂肪由来の甘い香りを楽しみたい時は和牛を、お肉を食べたいけど脂質を抑えたい時は輸入牛を選ぶと良いですね。

参考記事:牛タンはカロリー・脂質が高い~ダイエット&糖質制限中の注意点も詳しく解説~

赤身と脂身でカロリー量は異なるのか

赤身と脂身でカロリー量は異なるのか

脂肪含有量に違いがある和牛と輸入牛は、赤身と脂身でもカロリー量は異なります。

和牛と輸入牛は、赤身と脂身でもカロリー量

上の表から、どの部位も脂身つきの方が赤身よりカロリーは約1.5倍高いことが分かりますね。

牛肉も脂身が多いと美味しく感じますが、カロリーが気になる場合は赤身を選んだ方が良いでしょう。

参考記事:牛丼のカロリーは高い?~ダイエット中の食べ方や栄養バランスについても解説~

豚肉&鶏肉と比較

牛肉と豚肉・鶏肉のカロリーをモモ肉100gあたりで比較すると、牛肉>鶏肉>豚肉の順になります。牛・豚・鶏比較

さらに牛肉は、豚や鶏に比べて糖質や脂質量も多いです。

なのでカロリーや脂質が気になる場合は、牛や鶏より豚肉を選ぶと良いでしょう。

参考記事:鶏肉のカロリーと糖質は高い?〜部位別に徹底解説〜
参考記事:豚肉のカロリーと糖質が多め?〜部位別にわかりやすく解説〜

牛肉の糖質は全般的に少なめ

牛肉の糖質は全般的に少なめ

牛肉には、私たちの身体に必要な栄養素の一つである“たんぱく質”が多く、糖質は全般的に少なめです。和牛の糖質量

このように牛肉の糖質量はどの部位でもあまり差はないので、糖質が気になる場合も安心して食べられる食材と言えます。

しゃぶしゃぶやステーキにするとカロリー量は変わるのか

しゃぶしゃぶやステーキにするとカロリー量は変わるのか

結論から申し上げますと、同じ部位でもしゃぶしゃぶやステーキにするとカロリー量は変わります

というのも調理方法には、「揚げる」「焼く」「煮る」「蒸す」等があり、調理油の量や使用する調味料により、カロリーも「揚げる」>「焼く」>「煮る」>「蒸す」の順に低くなるからです。

「煮る」調理法に入るしゃぶしゃぶは、ゆでることにより肉の脂が水に溶け出るためカロリーも低くなります。

またステーキは「焼く」調理法ですが、フライパンや鉄板で焼くより網で焼いた方が、脂が流れ出るため脂肪の摂取量が少なくなります。

肉の部位だけでなく調理法によってもカロリーは変わるので、カロリーが気になる方はステーキよりしゃぶしゃぶ、またステーキでもフライパンより網焼きを選ぶと良いでしょう。

参考記事:ステーキのカロリーは高い?~ダイエット向きの部位や栄養成分についても解説~

牛肉の栄養素 

牛肉の栄養素 

牛肉には、以下のようなビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

①ビタミンB2
私たちの身体のエネルギー産生に必要な水溶性ビタミンです。また「発育のビタミン」とも呼ばれ、皮膚や髪等の細胞再生に関与しています。

②鉄分
貧血の予防に関係するミネラルです。

肉のミオグロビン(※)に含まれる鉄は“ヘム鉄”と呼ばれ、ほうれん草に含まれる“非ヘム鉄”より身体への吸収率が良いと言われています。

(※)赤い色素たんぱく質のことで、牛肉の赤色が濃いほどミオグロビンがより多く含まれています。

③亜鉛
味覚を感じる味蕾(みらい)細胞に関与するミネラルです。さらに骨の成長や肝臓・膵臓等、新しい細胞が作られる組織でも重要な働きをしています。

④カルニチン
アミノ酸由来の物質で、エネルギー産生に重要な働きをしています。さらに食事で摂った脂肪や、体内の余分な脂肪の燃焼を促進してエネルギーに変える働きもあり、特に牛の赤身に多く含まれています。

⑤オレイン酸
牛肉の脂肪を構成する不飽和脂肪酸のひとつです。牛肉に多く含まれるオレイン酸は、LDLコレステロールを減らし動脈硬化を予防することが最近の研究で分かってきました。

さらに牛肉には、脂肪が多く含まれるため控えた方が良いというイメージがありますが、身体の機能を保つためには必要不可欠な栄養素です。

脂肪の摂りすぎは肥満の原因になりますが、適度に牛肉の脂質を摂る事は健康の維持にも大切と言えますね。

参考記事:ほうれん草のカロリーと糖質は低く栄養も豊富~ダイエットでも活用しましょう~

美味しさを追求!牛肉を活用したダイエットレシピ

脂肪燃焼効果のあるカルニチンを多く含む赤身を使った、ダイエットメニューです。

[牛肉のおろしポン酢かけ]
[牛肉のおろしポン酢かけ]

【材料】〜作りやすい分量〜
・牛もも肉(しゃぶしゃぶ用)   100g
・お湯              適量
・料理酒          大さじ1
・大根              5cm
・青じそ                1枚
・ポン酢             大さじ3

 

【作り方】
①鍋で湯を沸かし、料理酒を入れてから牛肉を湯通しして、キッチンペーパーを敷いた皿にうつす。
②大根は皮をむいておろし器ですりおろし、青じそは千切りにする。
③器に粗熱が取れた①の牛肉、大根おろし、青じそを順に盛り付けポン酢をかけたら出来上がり。

[ポイント]
・牛肉を湯通しする時に酒を入れることで、牛肉の臭みが取れます。
・牛肉を湯通しした後、キッチンペーパーを敷いた皿に入れ粗熱を取ると、氷水で冷やすより柔らかくしっとりと仕上がります。

参考記事:肉じゃがのカロリー・糖質は高い?~ダイエット中にも安心な絶品レシピもご紹介~

まとめ

以上、総じて食品の中でカロリーが高く糖質が低めの牛肉ですが、和牛より輸入牛の方がカロリーが低く部位によってもカロリーが違う事が分かりましたね。

また産地の違いや調理方法によってもカロリーが変わるのもポイントです。

さらに牛肉にはビタミンや鉄分や亜鉛等のミネラルが豊富に含まれ、特に牛の赤身にはカルニチンが多いのでダイエットで脂肪を減らしたい場合にも最適の食材といえます

今回の記事により、ダイエットで牛肉をうまく活用していただけると嬉しいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。

シンクヘルスの紹介

 

■参考文献
日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)
財団法人 日本食肉消費総合センター 健康をサポートする牛肉の栄養・機能に着目!
eatsmart  カロリーチェック
株式会社日本政策金融公庫 消費者動向調査:牛肉の消費動向
東京都食肉事業協同組合 お肉の良さ 牛肉編
公益財団法人 日本食肉消費総合センター 食肉の全てがわかるQ&A教えて!日本の畜産
神奈川県農業技術センター畜産技術所 25~35 歳の牛肉に対する嗜好、購買行動に関する実態調査
農林水産省 特集2 牛肉(2)
農林水産省 誰かに話したくなるお肉の豆知識
農研機構 農業技術事典
公益社団法人熊本県畜産広場 調理による栄養成分変化・脂質と成分の変化
健康長寿ネット 亜鉛の働きと1日の摂取量
健康長寿ネット ビタミンB2の働きと1日の摂取量
厚生労働省eJIM カルニチン

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